ニュースレター「サンゴ礁の自然環境」

2014年 9月号

多くの生き物たちの命をささえる藻場

2017年10月号

知ってますか? スクガラス

2017年11月号

陸の中の海

ーアンキアライン洞窟にくらす不思議な生き物たちー

2018年2月号

「海と過ごした6年間〜サンゴの研究を通じて〜」

2018年3月号

サンゴの海の漁業

 上の写真は、カマスベラの幼魚です(右側が頭)。カマスベラは小魚を襲って食べる肉食の魚ですが、小さいうちはこのように海草(藻)に身を隠しています。 藻場は多くの生き物のすみかであると同時に、命の“ゆりかご”です。大きくなると藻場に身を隠せない(というか隠す必要のない)魚の中にも、小さい頃には藻場のお世話になるものはたくさんいます。刺身や照り焼き、ぶり大根などの料理でこれからの季節の食卓をにぎわすブリも、小さい頃は褐色をしていて、海面を漂流する藻(流れ藻)にまぎれて生活しています。 不幸なことに、藻場は多くの場合、人間が暮らす近くの浅い海にあります。これは人間の生活の排水や埋め立ての影響をたいへん受けやすいことを意味しています。魚が獲れる漁場はずっと沖の方でも、その魚の幼魚が育つ”ゆりかご“は、案外人間の足下にあるというわけです。 ちなみに、冒頭の写真の背景に写っているのは、沖縄の浅い砂地によく見られリュウキュウスガモという海草です。沖縄の言葉では“ジャングサ”とよばれますが、これは実は「ジュゴンの草」という意味です。今や絶滅の危機に瀕した海洋ほ乳類であるジュゴンは、このジャングサを主に食べます。図体の大きなジュゴンが生きてゆくためには、それこそ広大な藻場が必要になります。 沖縄県では、このジュゴンがわずかに残る海域を開発するかどうかで揉めていますが、ジュゴンという動物そのものに加えて、ジュゴンが生息できるだけの藻場が、生態系の中でどれだけ大きな役割を果たしているかも考える必要があります。 ※海藻と書く場合はコンブやワカメ、ホンダワラなどの藻類を指し、海草と書く場合はアマモなど花を咲かせる植物=被子植物を指します。 執筆者 宮崎 悠
 上の写真は、カマスベラの幼魚です(右側が頭)。カマスベラは小魚を襲って食べる肉食の魚ですが、小さいうちはこのように海草(藻)に身を隠しています。 藻場は多くの生き物のすみかであると同時に、命の“ゆりかご”です。大きくなると藻場に身を隠せない(というか隠す必要のない)魚の中にも、小さい頃には藻場のお世話になるものはたくさんいます。刺身や照り焼き、ぶり大根などの料理でこれからの季節の食卓をにぎわすブリも、小さい頃は褐色をしていて、海面を漂流する藻(流れ藻)にまぎれて生活しています。 不幸なことに、藻場は多くの場合、人間が暮らす近くの浅い海にあります。これは人間の生活の排水や埋め立ての影響をたいへん受けやすいことを意味しています。魚が獲れる漁場はずっと沖の方でも、その魚の幼魚が育つ”ゆりかご“は、案外人間の足下にあるというわけです。 ちなみに、冒頭の写真の背景に写っているのは、沖縄の浅い砂地によく見られリュウキュウスガモという海草です。沖縄の言葉では“ジャングサ”とよばれますが、これは実は「ジュゴンの草」という意味です。今や絶滅の危機に瀕した海洋ほ乳類であるジュゴンは、このジャングサを主に食べます。図体の大きなジュゴンが生きてゆくためには、それこそ広大な藻場が必要になります。 沖縄県では、このジュゴンがわずかに残る海域を開発するかどうかで揉めていますが、ジュゴンという動物そのものに加えて、ジュゴンが生息できるだけの藻場が、生態系の中でどれだけ大きな役割を果たしているかも考える必要があります。 ※海藻と書く場合はコンブやワカメ、ホンダワラなどの藻類を指し、海草と書く場合はアマモなど花を咲かせる植物=被子植物を指します。 執筆者 宮崎 悠
 上の写真は、カマスベラの幼魚です(右側が頭)。カマスベラは小魚を襲って食べる肉食の魚ですが、小さいうちはこのように海草(藻)に身を隠しています。 藻場は多くの生き物のすみかであると同時に、命の“ゆりかご”です。大きくなると藻場に身を隠せない(というか隠す必要のない)魚の中にも、小さい頃には藻場のお世話になるものはたくさんいます。刺身や照り焼き、ぶり大根などの料理でこれからの季節の食卓をにぎわすブリも、小さい頃は褐色をしていて、海面を漂流する藻(流れ藻)にまぎれて生活しています。 不幸なことに、藻場は多くの場合、人間が暮らす近くの浅い海にあります。これは人間の生活の排水や埋め立ての影響をたいへん受けやすいことを意味しています。魚が獲れる漁場はずっと沖の方でも、その魚の幼魚が育つ”ゆりかご“は、案外人間の足下にあるというわけです。 ちなみに、冒頭の写真の背景に写っているのは、沖縄の浅い砂地によく見られリュウキュウスガモという海草です。沖縄の言葉では“ジャングサ”とよばれますが、これは実は「ジュゴンの草」という意味です。今や絶滅の危機に瀕した海洋ほ乳類であるジュゴンは、このジャングサを主に食べます。図体の大きなジュゴンが生きてゆくためには、それこそ広大な藻場が必要になります。 沖縄県では、このジュゴンがわずかに残る海域を開発するかどうかで揉めていますが、ジュゴンという動物そのものに加えて、ジュゴンが生息できるだけの藻場が、生態系の中でどれだけ大きな役割を果たしているかも考える必要があります。 ※海藻と書く場合はコンブやワカメ、ホンダワラなどの藻類を指し、海草と書く場合はアマモなど花を咲かせる植物=被子植物を指します。 執筆者 宮崎 悠
 上の写真は、カマスベラの幼魚です(右側が頭)。カマスベラは小魚を襲って食べる肉食の魚ですが、小さいうちはこのように海草(藻)に身を隠しています。 藻場は多くの生き物のすみかであると同時に、命の“ゆりかご”です。大きくなると藻場に身を隠せない(というか隠す必要のない)魚の中にも、小さい頃には藻場のお世話になるものはたくさんいます。刺身や照り焼き、ぶり大根などの料理でこれからの季節の食卓をにぎわすブリも、小さい頃は褐色をしていて、海面を漂流する藻(流れ藻)にまぎれて生活しています。 不幸なことに、藻場は多くの場合、人間が暮らす近くの浅い海にあります。これは人間の生活の排水や埋め立ての影響をたいへん受けやすいことを意味しています。魚が獲れる漁場はずっと沖の方でも、その魚の幼魚が育つ”ゆりかご“は、案外人間の足下にあるというわけです。 ちなみに、冒頭の写真の背景に写っているのは、沖縄の浅い砂地によく見られリュウキュウスガモという海草です。沖縄の言葉では“ジャングサ”とよばれますが、これは実は「ジュゴンの草」という意味です。今や絶滅の危機に瀕した海洋ほ乳類であるジュゴンは、このジャングサを主に食べます。図体の大きなジュゴンが生きてゆくためには、それこそ広大な藻場が必要になります。 沖縄県では、このジュゴンがわずかに残る海域を開発するかどうかで揉めていますが、ジュゴンという動物そのものに加えて、ジュゴンが生息できるだけの藻場が、生態系の中でどれだけ大きな役割を果たしているかも考える必要があります。 ※海藻と書く場合はコンブやワカメ、ホンダワラなどの藻類を指し、海草と書く場合はアマモなど花を咲かせる植物=被子植物を指します。 執筆者 宮崎 悠