本土の海の砂は川から運び込まれたもので、黒ずんだものが多いのですが、沖縄の海は違います。手にとってみると分かるのですが、白い砂の多くは海に生息する生物の死骸です。

　サンゴ礁の砂を構成しているのはサンゴや貝殻の欠片、ウニのトゲや殻、その形から呼ばれる星砂や太陽砂です。

　海岸に打ち上げられた砂粒の多くは、波に運ばれる途中、摩擦などで角が取れたりして原型を止めません。また、波の働きの他にも、ブダイやウニ、ナマコなどの生物の行動が、白く細かな砂ができることに関わっています。サンゴ礁の白い砂は、海の中に棲んでいる生物の種類によって砂の構成が場所ごとに違ってきます。

　海岸の小さな砂の欠片から正体を探り、その生物の生活方法、他の生物との繋がり方、さらには、その生き物が棲んでいるサンゴ礁の自然の仕組までも、紐解くことができるのです。