ニュースレター「サンゴ礁の自然環境」

2014年11月号

スナギンチャクの繁殖

2015年7月号

新種の生物を自分で発見して名前をつけるには?

2015年8月号

スツボサンゴはどこへ行く?

2015年9月号

貝殻にまん丸の穴を開けたのは誰?

2015年10月号

電灯潜り漁の世界

2015年11月号

フジツボに魅せられて脚まねきが誘うフジツボの世界

2015年12月号

沖縄のカブトガニは夢か幻か

2016年2月号

沖縄の海への憧れから研究へ

2016年3月号

子供から学ぶハマダイコンの事実

2016年4月号

こどもたちに大人気のクワガタムシ!じゃあ、海のクワガタムシは?

2016年5月号

これであなたも魚通!?~方言から迫る沖縄の食用魚~

2016年6月号

タカラガイの世界

2016年7月号

-国際サンゴ礁学会ハワイ大会-体験記

2016年9月号

サンゴの運命は如何に!?

2016年10月号

海面に雪だるま!?

~ウミショウブの雄花~

2017年4月号

春の代名詞を知る

~沖縄と本土の桜の違いとは?~

2017年5月号

沖縄の熱いビール文化

~知られざるサンゴとビールの関係~

2017年6月号

月を感じる沖縄の生き物

2017年7月号

夜の海の派手な世界

2017年8月号

沖縄の海の現在と未来

2017年9月号

サンゴの一斉産卵から見る環境の変化

2017年10月号

知ってますか? スクガラス

2017年11月号

陸の中の海

ーアンキアライン洞窟にくらす不思議な生き物たちー

2018年2月号

「海と過ごした6年間〜サンゴの研究を通じて〜」

2018年3月号

サンゴの海の漁業

スナギンチャクってなに? みなさんはスナギンチャクという生き物の名を耳に したこはありますか?知っているという人はかなりの 生物マニア。マイナーな生き物であるため、ほとんど の方はお聞きになったことがないかと思います。 外観はイソギンチャクに近く、砂を体に取り込む特 徴から、スナギンチャク”砂巾着”と呼ばれています (図a:クロシオマメスナギンチャク)。 スナギンチャクは、イソギンチャクやイシサンゴの 仲間にあたる生物で、冷帯から熱帯・亜熱帯、深海か ら浅い海まで、幅広い環境で見られます。ここ沖縄島 においても、スナギンチャク類は簡単に見つけること ができますが、いかんせんこの地味な見た目…。 日ごろから海に親しんでいる地元の方々もあまりご存じないようで、”はじめてみた!” とか ”なんなのこれ?” という感想をよく聞きます。 スナギンチャクって重要? このように、ほとんど一般の方には知られていないスナギンチャク類ですが、サンゴ礁生態系を理解する上では重要な生物のひとつなのです。例えば、マメスナギンチャク ”豆砂巾着”の仲間は、コロニー(群体のこと。小さな個虫の集まりで構成される。)を形成し、底質を覆いつくすことで周囲の生物に大きな影響を与えます(図b: クロシオマメスナギンチャクのコロニー)。そのため、このマメスナギンチャク類が、いつ、どのように繁殖するのかは、サンゴ礁生物の研究者にとっても大きな関心があります。 イシサンゴ類の殖えかた 話はそれますが、サンゴ礁生態系の中で最も重要な生物といえばイシサンゴ類です。イシサンゴ類の繁殖行動は一般にも有名で、夜間に行われる大規模な産卵行動はメディアでもよく紹介されます。 沖縄島ではイシサンゴ類の多くが5〜7月の満月の夜に産卵を行うことが知られていますが、これは研究者たちが長い年月と労力をかけてサンゴの産卵をつきっきりで観察して得た重要な情報です。このような研究者の努力により、イシサンゴ類の産卵タイミングだけでなく、それに影響を及ぼす環境の要因もわかってきました。 例えば、海水温、月齢、日没からの時間などは、コロニー間で産卵のタイミングを合わせる特定の条件として働います。しかし、これらは複雑に影響しあっているため、今現在でも正確にイシサンゴ類の産卵のタイミングを予想することは、研究者でも困難な場合があるのです。 新月に産卵する沖縄島のマメスナギンチャク 一方で、スナギンチャク類の繁殖は、残念ながらあま りわかっていません。しかし、沖縄島のマメスナギンチ ャクの仲間に関しては、いくつか情報が得れており、7 〜8月の新月の夜に産卵するようです (図c: クロシオマメスナギンチャクの卵)。 新月における産卵は、沖縄島の六放サンゴ亜綱(イシ サンゴ類、イソギンチャク類、スナギンチャク類、その 他を含んだ大きな分類グループ)ではスナギンチャク類 でしか報告されておらず、独特な特徴といえます。 このような情報は、サンゴ礁生態系の高い多様性を説 明する上でとても重要です。また、スナギンチャクをは じめ、六放サンゴ亜綱の生物が持つ、産卵タイミングを 調節するメカニズムを、解明するヒントになるでしょう。 地味~なスナギンチャクですが、いつか生物学的に注 目される日が来るかもしれません。 執筆者 河村 伊織 スナギンチャクの卵の大きさは、 わずか0.25mmほど。
スナギンチャクってなに? みなさんはスナギンチャクという生き物の名 を耳にしたこはありますか?知っているという 人はかなりの生物マニア。マイナーな生き物で あるため、ほとんどの方はお聞きになったこと がないかと思います。 外観はイソギンチャクに近く、砂を体に取り 込む特徴から、スナギンチャク”砂巾着”と呼ば れています (図a:クロシオマメスナギンチャク)。 スナギンチャクは、イソギンチャクやイシサ ンゴの仲間にあたる生物で、冷帯から熱帯・亜 熱帯、深海から浅い海まで、幅広い環境で見られます。ここ沖縄島においても、スナギンチャク類は簡単に見つけることができますが、いかんせんこの地味な見た目…。 日ごろから海に親しんでいる地元の方々もあまりご存じないようで、”はじめてみた!” とか ”なんなのこれ?” という感想をよく聞きます。 スナギンチャクって重要? このように、ほとんど一般の方には知られていないスナギンチャク類ですが、サンゴ礁生態系を理解する上では重要な生物のひとつなのです。例えば、マメスナギンチャク ”豆砂巾着”の仲間は、コロニー(群体のこと。小さな個虫の集まりで構成される。)を形成し、底質を覆いつくすことで周囲の生物に大きな影響を与えます(図b: クロシオマメスナギンチャクのコロニー)。そのため、このマメスナギンチャク類が、いつ、どのように繁殖するのかは、サンゴ礁生物の研究者にとっても大きな関心があります。 イシサンゴ類の殖えかた 話はそれますが、サンゴ礁生態系の中で最も重要な生物といえばイシサンゴ類です。イシサンゴ類の繁殖行動は一般にも有名で、夜間に行われる大規模な産卵行動はメディアでもよく紹介されます。 沖縄島ではイシサンゴ類の多くが5〜7月の満月の夜に産卵を行うことが知られていますが、これは研究者たちが長い年月と労力をかけてサンゴの産卵をつきっきりで観察して得た重要な情報です。このような研究者の努力により、イシサンゴ類の産卵タイミングだけでなく、それに影響を及ぼす環境の要因もわかってきました。 例えば、海水温、月齢、日没からの時間などは、コロニー間で産卵のタイミングを合わせる特定の条件として働います。しかし、これらは複雑に影響しあっているため、今現在でも正確にイシサンゴ類の産卵のタイミングを予想することは、研究者でも困難な場合があるのです。 新月に産卵する沖縄島のマメスナギンチャク 一方で、スナギンチャク類の繁殖は、残念な がらあまりわかっていません。しかし、沖縄島 のマメスナギンチャクの仲間に関しては、いく つか情報が得れており、7〜8月の新月の夜に 産卵するようです (図c: クロシオマメスナギンチャクの卵)。 新月における産卵は、沖縄島の六放サンゴ亜 綱(イシサンゴ類、イソギンチャク類、スナギ ンチャク類、その他を含んだ大きな分類グルー プ)ではスナギンチャク類でしか報告されてお らず、独特な特徴といえます。 このような情報は、サンゴ礁生態系の高い多 様性を説明する上でとても重要です。また、スナギンチャクをはじめ、六放サンゴ亜綱の生物が持つ、産卵タイミングを調節するメカニズムを、解明するヒントになるでしょう。 地味~なスナギンチャクですが、いつか生物学的に注目される日が来るかもしれません。 執筆者 河村 伊織 スナギンチャクの卵の大きさは、 わずか0.25mmほど。
スナギンチャクってなに? みなさんはスナギンチャクという生き物 の名を耳にしたこはありますか?知ってい るという人はかなりの生物マニア。マイナ ーな生き物であるため、ほとんどの方はお 聞きになったことがないかと思います。 外観はイソギンチャクに近く、砂を体に 取り込む特徴から、スナギンチャク”砂巾着” と呼ばれています (図a:クロシオマメスナギンチャク)。 スナギンチャクは、イソギンチャクやイ シサンゴの仲間にあたる生物で、冷帯から 熱帯・亜熱帯、深海から浅い海まで、幅広い環境で見られます。ここ沖縄島においても、スナギンチャク類は簡単に見つけることができますが、いかんせんこの地味な見た目…。 日ごろから海に親しんでいる地元の方々もあまりご存じないようで、”はじめてみた!” とか ”なんなのこれ?” という感想をよく聞きます。 スナギンチャクって重要? このように、ほとんど一般の方には知られていないスナギンチャク類ですが、サンゴ礁生態系を理解する上では重要な生物のひとつなのです。例えば、マメスナギンチャク ”豆砂巾着”の仲間は、コロニー(群体のこと。小さな個虫の集まりで構成される。)を形成し、底質を覆いつくすことで周囲の生物に大きな影響を与えます(図b: クロシオマメスナギンチャクのコロニー)。そのため、このマメスナギンチャク類が、いつ、どのように繁殖するのかは、サンゴ礁生物の研究者にとっても大きな関心があります。 イシサンゴ類の殖えかた 話はそれますが、サンゴ礁生態系の中で最も重要な生物といえばイシサンゴ類です。イシサンゴ類の繁殖行動は一般にも有名で、夜間に行われる大規模な産卵行動はメディアでもよく紹介されます。 沖縄島ではイシサンゴ類の多くが5〜7月の満月の夜に産卵を行うことが知られていますが、これは研究者たちが長い年月と労力をかけてサンゴの産卵をつきっきりで観察して得た重要な情報です。このような研究者の努力により、イシサンゴ類の産卵タイミングだけでなく、それに影響を及ぼす環境の要因もわかってきました。 例えば、海水温、月齢、日没からの時間などは、コロニー間で産卵のタイミングを合わせる特定の条件として働います。しかし、これらは複雑に影響しあっているため、今現在でも正確にイシサンゴ類の産卵のタイミングを予想することは、研究者でも困難な場合があるのです。 新月に産卵する沖縄島のマメスナギンチャク 一方で、スナギンチャク類の繁殖は、残念 ながらあまりわかっていません。しかし、沖 縄島のマメスナギンチャクの仲間に関しては、 いくつか情報が得れており、7〜8月の新月 の夜に産卵するようです (図c: クロシオマメスナギンチャクの卵)。 新月における産卵は、沖縄島の六放サンゴ 亜綱(イシサンゴ類、イソギンチャク類、ス ナギンチャク類、その他を含んだ大きな分類 グループ)ではスナギンチャク類でしか報告 されておらず、独特な特徴といえます。 このような情報は、サンゴ礁生態系の高い 多様性を説明する上でとても重要です。また、スナギンチャクをはじめ、六放サンゴ亜綱の生物が持つ、産卵タイミングを調節するメカニズムを、解明するヒントになるでしょう。 地味~なスナギンチャクですが、いつか生物学的に注目される日が来るかもしれません。 執筆者 河村 伊織 スナギンチャクの卵の大きさは、 わずか0.25mmほど。
スナギンチャクってなに? みなさんはスナギンチャクという生き 物の名を耳にしたこはありますか?知っ ているという人はかなりの生物マニア。 マイナーな生き物であるため、ほとんど の方はお聞きになったことがないかと思 います。 外観はイソギンチャクに近く、砂を体 に取り込む特徴から、スナギンチャク”砂 巾着”と呼ばれています (図a:クロシオマメスナギンチャク)。 スナギンチャクは、イソギンチャクやイシサンゴの仲間にあたる生物で、冷帯から熱帯・亜熱帯、深海から浅い海まで、幅広い環境で見られます。ここ沖縄島においても、スナギンチャク類は簡単に見つけることができますが、いかんせんこの地味な見た目…。 日ごろから海に親しんでいる地元の方々もあまりご存じないようで、”はじめてみた!” とか ”なんなのこれ?” という感想をよく聞きます。 スナギンチャクって重要? このように、ほとんど一般の方には知られていないスナギンチャク類ですが、サンゴ礁生態系を理解する上では重要な生物のひとつなのです。例えば、マメスナギンチャク ”豆砂巾着”の仲間は、コロニー(群体のこと。小さな個虫の集まりで構成される。)を形成し、底質を覆いつくすことで周囲の生物に大きな影響を与えます(図b: クロシオマメスナギンチャクのコロニー)。そのため、このマメスナギンチャク類が、いつ、どのように繁殖するのかは、サンゴ礁生物の研究者にとっても大きな関心があります。 イシサンゴ類の殖えかた 話はそれますが、サンゴ礁生態系の中で最も重要な生物といえばイシサンゴ類です。イシサンゴ類の繁殖行動は一般にも有名で、夜間に行われる大規模な産卵行動はメディアでもよく紹介されます。 沖縄島ではイシサンゴ類の多くが5〜7月の満月の夜に産卵を行うことが知られていますが、これは研究者たちが長い年月と労力をかけてサンゴの産卵をつきっきりで観察して得た重要な情報です。このような研究者の努力により、イシサンゴ類の産卵タイミングだけでなく、それに影響を及ぼす環境の要因もわかってきました。 例えば、海水温、月齢、日没からの時間などは、コロニー間で産卵のタイミングを合わせる特定の条件として働います。しかし、これらは複雑に影響しあっているため、今現在でも正確にイシサンゴ類の産卵のタイミングを予想することは、研究者でも困難な場合があるのです。 新月に産卵する沖縄島のマメスナギンチャク 一方で、スナギンチャク類の繁殖は、残 念ながらあまりわかっていません。しかし、 沖縄島のマメスナギンチャクの仲間に関し ては、いくつか情報が得れており、7〜8 月の新月の夜に産卵するようです (図c: クロシオマメスナギンチャクの卵)。 新月における産卵は、沖縄島の六放サン ゴ亜綱(イシサンゴ類、イソギンチャク類、 スナギンチャク類、その他を含んだ大きな 分類グループ)ではスナギンチャク類でし か報告されておらず、独特な特徴といえま す。 このような情報は、サンゴ礁生態系の高い多様性を説明する上でとても重要です。また、スナギンチャクをはじめ、六放サンゴ亜綱の生物が持つ、産卵タイミングを調節するメカニズムを、解明するヒントになるでしょう。 地味~なスナギンチャクですが、いつか生物学的に注目される日が来るかもしれません。 執筆者 河村 伊織 スナギンチャクの卵の大きさは、 わずか0.25mmほど。
スナギンチャクってなに? みなさんはスナギンチャクという 生き物の名を耳にしたこはあります か?知っているという人はかなりの 生物マニア。マイナーな生き物であ るため、ほとんどの方はお聞きにな ったことがないかと思います。 外観はイソギンチャクに近く、砂 を体に取り込む特徴から、スナギン チャク”砂巾着”と呼ばれています (図a:クロシオマメスナギンチャク)。 スナギンチャクは、イソギンチャクやイシサンゴの仲間にあたる生物で、冷帯から熱帯・亜熱帯、深海から浅い海まで、幅広い環境で見られます。ここ沖縄島においても、スナギンチャク類は簡単に見つけることができますが、いかんせんこの地味な見た目…。 日ごろから海に親しんでいる地元の方々もあまりご存じないようで、”はじめてみた!” とか ”なんなのこれ?” という感想をよく聞きす。 スナギンチャクって重要? このように、ほとんど一般の方には知られていないスナギンチャク類ですが、サンゴ礁生態系を理解する上では重要な生物のひとつなのです。例えば、マメスナギンチャク ”豆砂巾着”の仲間は、コロニー(群体のこと。小さな個虫の集まりで構成される。)を形成し、底質を覆いつくすことで周囲の生物に大きな影響を与えます(図b: クロシオマメスナギンチャクのコロニー)。そのため、このマメスナギンチャク類が、いつ、どのように繁殖するのかは、サンゴ礁生物の研究者にとっても大きな関心があります。 イシサンゴ類の殖えかた 話はそれますが、サンゴ礁生態系の中で最も重要な生物といえばイシサンゴ類です。イシサンゴ類の繁殖行動は一般にも有名で、夜間に行われる大規模な産卵行動はメディアでもよく紹介されます。 沖縄島ではイシサンゴ類の多くが5〜7月の満月の夜に産卵を行うことが知られていますが、これは研究者たちが長い年月と労力をかけてサンゴの産卵をつきっきりで観察して得た重要な情報です。このような研究者の努力により、イシサンゴ類の産卵タイミングだけでなく、それに影響を及ぼす環境の要因もわかってきました。 例えば、海水温、月齢、日没からの時間などは、コロニー間で産卵のタイミングを合わせる特定の条件として働います。しかし、これらは複雑に影響しあっているため、今現在でも正確にイシサンゴ類の産卵のタイミングを予想することは、研究者でも困難な場合があるのです。 新月に産卵する沖縄島のマメスナギンチャク 一方で、スナギンチャク類の繁殖は、 残念ながらあまりわかっていません。 しかし、沖縄島のマメスナギンチャク の仲間に関しては、いくつか情報が得 れており、7〜8月の新月の夜に産卵 するようです(図c: クロシオマメスナ ギンチャクの卵)。 新月における産卵は、沖縄島の六放 サンゴ亜綱(イシサンゴ類、イソギン チャク類、スナギンチャク類、その他 を含んだ大きな分類グループ)ではス ナギンチャク類でしか報告されておらず、独特な特徴といえます。 このような情報は、サンゴ礁生態系の高い多様性を説明する上でとても重要です。また、スナギンチャクをはじめ、六放サンゴ亜綱の生物が持つ、産卵タイミングを調節するメカニズムを、解明するヒントになるでしょう。 地味~なスナギンチャクですが、いつか生物学的に注目される日が来るかもしれません。 執筆者 河村 伊織 スナギンチャクの卵の大きさは、 わずか0.25mmほど。